カビや結露を防ぎ快適な住空間を—。
めざしたのは、水を弾き、空気を通す紙づくり
水に弱いとイメージされがちな和紙。玉紙は独自の加工でそれを強みへと転換しました。樹脂などで表面をコーティングし、水の浸透を防ぐ「防水加工」は表面に隙間がないため通気性がなく、壁の内側が蒸れて結露やカビを引き起こします。私たちは和紙の優れた特徴である通気性にこだわり、「超撥水加工」を採用しました。完全球体を描き弾く水滴にちなんで名づけられた「玉紙」は、開発者たちの「超撥水」への技術、そして熱い思いの結晶です。
優れた機能性を残し、様々な難点を克服
一般的な和紙壁紙の場合
和紙は自然素材なので通気性があり、調湿機能を備えています。また、静電気を起こさないため空気中のチリやホコリを寄せ付けませんが、防水性や防汚性はないので紙面に直接付着した水滴や汚れはそのまま染み込んでしまいます。
ビニールクロスの場合
ビニールクロスは防水性に優れていますが、通気性がないため結露を引き起こします。また、製造過程で使われる可塑剤が空気中のタールやヤニと化学反応を起こし、静電気も発生するため汚れを吸着しやすい性質を持っています。
超撥水和紙壁紙「玉紙」の場合
玉紙はベースとなる和紙の通気性や調節湿機能をそのまま活かしながら、さらに従来の壁クロスが持つ防水性を高め、超撥水機能として付加させました。従来の壁紙の優れた部分のみで作られているのです。
原料は安心の天然素材
「玉紙」の原料となるのは、全て自然から生まれた素材です。素材にも加工にも有害物質、化学物質を一切使用していません。玉紙のベースとなる和紙の原料は、山林に生える楮、三椏、雁皮といった天然植物。超撥水加工には大地から生まれた珪素を使用しています。珪素とは岩石に約80%含まれている元素の一つで、もちろん人体には無害です。シックハウスの心配はなく、安心してお使いいただけます。
健康的な住空間をサポート
高温多湿な日本の気候において、通気性に優れ、湿気をコントロールできる建築建材は健康住宅づくりには不可欠です。一般的な防水加工を施した壁クロスは表面をコーティングするため通気性が悪く壁との隙間で結露を引き起こしますが、「玉紙」は生地の表面に付着した水滴を玉状にして弾くため通気性にも優れています。さらに、余分な湿気のない状態を維持することで、カビやダニの発生も防止。健康的な空間づくりをサポートします。
汚れにくく、クリーンな状態を維持
「玉紙」は静電気を起こさないため、空気中のホコリやゴミを寄せつけにくく、クリーンな状態を保つことができます。また、超撥水加工により防汚性が高く、汚れにもにも強さを発揮。タバコのヤニや手垢など、気になる日常の汚れが付着しにくいため、清潔感のある美しい空間を維持しやすくなっています。
木の色合いが心と体にやさしく作用
森に浄化作用があるように、自然により近い生活環境はストレスを緩和し、心と体を健やかな状態に近づけてくれます。そんなことを意識し、「玉紙」はナチュラルな色味、心と体にしっくり馴染むやわらかな風合いが自然体で暮らせる住空間づくりのお役に立ちます。
地球環境への配慮
樹木を原料とし、澄んだ水を使って漉きあげる和紙。自然の恩恵なくして、「玉紙」の存在はありえません。だからこそ、私たちは自然への感謝を込めて、環境負荷のない製品づくりに努めています。原料はすべて自然素材。燃やしても有害ガスを発生することがありません。また、大地から生まれた素材なので、土に埋めれば大地へと還ります。
紙の神様が宿る町が、「玉紙」の故郷
玉紙のルーツ・越前和紙の産地として知られる福井県越前市(旧今立町)。
ここは古くから紙漉きの里として知られています。その起源は今から約1500年前。岡太川(おかもとがわ)のたもとに美しい女神が現れ、村人たちに「この村は清らかな谷川に恵まれているので、紙を漉くと生活が楽になるでしょう」と告げ、紙の漉き方を教えたのが始まりと伝えられています。
「玉紙」はそんな幻想的な由来を持つ、越前和紙をベースとしています。自然豊かな風土、清らかなせせらぎ、そして職人たちが長年にわたって育んできた越前和紙。「玉紙」は、伝統に裏打ちされた良質の素材を進化させ、今、新たな物語を紡いでいます。
建築美の可能性を広げる「和紙壁紙」
和紙は日本建築のなかで古くから使われてきました。かつて壁材として多かったのは土壁ですが、茶室などでは摺れて土が落ちるのを防ぐため和紙を貼って仕上げるという手法が見られるようになり、壁材として和紙の用途は次第に広がっていきます。さらに鳥の子和紙を使った美しい襖紙も登場。多彩な漉き模様で微妙な風合いを表現する技術は壁紙にも応用され、より繊細な建築美を生み出しました。
「玉紙」は、そんな建築和紙としての歴史を受け継ぎ誕生した超撥水壁紙です。確かな機能性と豊かな風合いとで、さまざまな建築シーンでご利用いただけます
木肌や木面のあたたかさを追求した色合い・全38色
私たち日本人は長い歳月の中で樹木を育て、木材を生活文化に取り入れてきました。木肌や木面が持つやわらかな色味は、そんな日本人の感覚に現代最も馴染む色といっても過言ではありません。「玉紙」は、日本人が生活の中で安らげる色合いを意識しながら色づくりを積み重ね、繊細なテイストを表現した自信の全38色を取り揃えました。色見本はこちらからどうぞ